ふるさと納税の見直しから半年経過して

ふるさと納税は、今年4月の総務省通知の「高額返礼品廃止」の見直しからもうすぐ半年になります。
現在の寄付額の順位も昨年と比較すると大きく変わっているようです。
見直し内容は、以下のとおりでした。
・商品券やプリペイドカードなど換金性の高いものを返礼品としない。
・電子機器や貴金属、時計など資産性の高いものを返礼品としない。
・返礼品の調達価格などを表示しないようにする。
・その他の返礼品についても還元率を寄付額の3割以内とする。

地域住民の少ない自治体にとっては、ふるさと納税での寄付金は大きな財源となります。各担当者にとっては、どの様な返礼品を考えるか知恵の出しどころですね。
ネットでも、おすすめ特集が組まれていますが、総務省のふるさと納税のホームページを見れば、面白いふるさとの返礼品が見ることも出来ます。

一方で、行政は、ふるさと納税の仕組みを「地方公共団体が行う地方創生事業」や「起業家」支援へと制度を拡大しています。

(前略)ふるさと納税による寄付を起業支援、移住の促進に使う自治体へ特別交付税を配り、財政面で優遇すると発表した。寄付の使途をあらかじめ示し、賛同者を募った場合が条件。優遇を受けたい自治体は使い道を工夫した寄付集めが求められるため、返礼品競争から、地域活性化の知恵比べに誘導できるとみている。平成30年度から始める。
野田聖子総務相は記者会見で「ふるさと納税は、地域活性化を実現する重要な手段」と指摘、今回の仕組みを活用して地方に人が集まることに期待を示した。
ふるさと納税は、返礼品を充実させる自治体が目立つ一方、使い道は「産業振興」「環境保護」などの分野しか示していないケースが多かった。
起業支援に関しては、自治体は地域で事業を始めたい企業や個人を選定。寄付を仲介するインターネットのサイトなどを通じて呼びかけ、集まった資金から企業や個人に補助する。
自治体が独自に補助額を上乗せする場合は特別交付税で支援する。企業側には、寄付した人に事業報告や試供品を送付してもらう。
移住促進では、寄付を活用して移住者向けに空き家や古民家を改修したり、就業をサポートしたりする自治体に対し、事業の一定額を特別交付税として配分。寄付者を招いた交流会、広報誌の送付にかかる費用も総務省の別の予算で支援する予定だ。産経ニュース2017.10.28

企業の納税制度については、認定地域再生計画に記載された「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に寄附をした場合、税制改正で法人税が軽減される制度。
また、地域活性化につながる事業を起業家を公募などで選び、「クラウドファンディング」を活用した仕組みに自治体が補助金を上乗せして後押しする制度(2018年4月からスタート予定)です。

ふるさと納税は「日本を元気に!」と導入された制度です。

地方で生まれ育ち、都会で暮らすようになり、生まれ育ったふるさとへ恩返ししたい想いを税制の仕組みにしたものです。人口が、大都市に集中し、将来多くの消滅都市が懸念されている今、返礼品目的ではなく、本来の地域応援のためにふるさと納税を利用したいですね。