土地は捨てられるか「負動産」となった不動産の処分
故郷の不動産の処分について悩んでいる知人がいます。
ご両親が無くなり、その住まいの相続を誰がするかについて、結論が出ないという事です。兄弟で、話し合いを持ちましたが、今ではそれぞれ都会に住まいも構え、不要な不動産となっています。
処分するにも、解体費が必要で、また、売却できるかも不明の為、誰も手を上げないとのことです。自治体への寄付も無理だと言われている様子です。全員で、費用負担すればと言うものの、費用負担についても話がまとまらない。
また過去には、未登記のまま放置していたために、売却時に相続人が沢山いて大変なことになった。この様な、不動産の相続話は時々耳にします。今「不動産が負動産となっている現状」が増加していると見られます。
「土地は捨てられるか否か?」の裁判もありました。判決は、不動産を維持する為の「個人の負担」を国に押しつけようとする行為で権利の濫用に当たるとして認められませんでした。
「負動産」のケースでは、相続人側の勝手で、所有権移転を行わず時間が経過し、所有者不明のままの物件が増え続けることも考えられます。
こんな問題を指摘した、有識者会議、「所有者不明土地問題研究会」が土地の所有権、放棄制度を提言したとの報道がありました。
①所有権放棄制度の創設
②現代版検地の実施
です。
併せて、放棄した土地を活用する組織の創設、土地の包括的な情報管理制度の検討などが掲げられています。
「うっかり」によって大変なことになったという話も聞いたことがあります。
「手続きしておけばいいのに」と思いますが、田舎では、宅地・田畑だけを登記し側溝等の登記を見逃していた等、関係物件の登記を失念して、いつの間にか相続人が全国に散らばった等のケースもある様です。
相続時に可能な限り調査をして不要であればその際に想像放棄するということしか今のところ有効な手立てがないのかも知れません。