奨学金の制度と来春卒業予定者の就職内定率(63%)について・・気になること

大学3年生の就職活動が12月1日に解禁となりましたが、来春の卒業予定者の就職内定率(10月1日現在)は、63%と発表されました。大学4年生の追い込み組で、まだ内定を貰ってない学生さんも多く見受けられます。

ところで、先日、来春の卒業予定者で奨学金の貸与額総額(給付では有りません、貸与とは返済しなければならない制度です。)が、600万円(それも自宅通学で)もある学生がまだ内定していないという話を聞きました。奨学金の返済は大丈夫なのでしょうか?

今、短大・大学への進学率は50%を超え(大学設立に関して、文部科学省の許可が下りるとか降りないとか、報道で大騒ぎしましたね、これから、益々少子化が進んでいるのに、新規の学校設立は今後の検討課題ですね。)専門学校を入れると70%を超えている状況です。各学校では学生確保に必死、個性的なカリキュラム導入や独自の奨学金制度を用意しています。 気になる国の奨学金制度 第一種(無利子)・第二種(有利子)貸与があります。 文部科学省の 奨学金事業 24年度の奨学金の募集内容(大学)を見ると以下の通りです。

無利子貸与の月額 自宅 (学生が選択) 自宅外(学生が選択) 有利子貸与の月額
国公立大学 3万円、又は4.5万円 3万円、又は5.1万円 3、5、8、10、12万円から学生が選択 進学する学部により増額される制度があります。
私立大学 3万円、又は5.4万円 3万円、又は6.4万円
私立短大 3万円、又は5.3万円 3万円、又は6万円
貸与総額は、無利子・有利子貸与では以下の通りとなります。
無利子貸与(第一種)、大学45ヶ月分で135万円~288万円 短大21ヶ月分で63万円~126万円
有利子貸与(第二種)、大学45ヶ月分で135万円~540万円 短大21ヶ月分で63万円~252万円
奨学金利用には、家計の総収入に上限の制限があります。
奨学金は就職後の収入を期待しての貸与ですが、ここ数年の低調な内定率やデフレ状況による給与額を考えると返済計画をしっかり考えなければなりません。
 
奨学金は必ず返済しなければなりません。
 
実質的には教育ローンと同じようなものだと考えることができます。
返済の遅れ(平成22年4月より、3カ月以上の延滞者に限定して、個人信用情報機関への個人情報の登録を実施するようになりました。)は、情報センターに登録され、クレジットカードや住宅ローン等の審査にも影響します。
 
今年の制度では、最近の景気状況を勘案し、所得連動返済型の無利子奨学金制度(家計の厳しい学生等(給与所得世帯の年収300万円以下相当)の将来の返済の不安を軽減し、予見性を持って、安心して進学等できるようにするため、奨学金の貸与を受けた本人が卒業後に一定の収入(年収300万円)を得るまでの間、返還期限を猶予する)が新設されました。 しかし、改めて、来春の内定が決まっていない学生さん(37%)の中で奨学金を利用している方の返済が気にかかります。
利用の際は、教育ローン同様、計画的な利用が必要ですね。

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