銀行再編の問題点

地方金融機関や金融庁は生き残りのために、金融機関の統合や再編を支持していますが、一方で、公正取引委員会の立場は、統合から、巨大なシェア(70%以上)のを持つと適正な競争が阻害されるという点を危惧しています。

最近の報道では、公正取引委員会の指摘を受け、他の金融機関へ債権を譲渡して問題解決を図ろうとしています。つまり、自行の地域シェアを意図的に下げるという意味です。
統合や合併は、目の前の少子化問題から、経費を削減が生き残りのためには必要なことです。
しかし、過去の先輩たちが築いてきた取引先を手放すと言うのは、取引先にも、金融機関にも辛い選択だと思います。
方法としては、金融機関の、債権を他の銀行に移す方法は、「借り換え」と「債権譲渡」の方法がありますが、今回は債権譲渡を検討しているという報道でした。

①「借り換え」は、別の金融機関から、新規に融資を受け、既存の金融機関へ返済して行う方法です。
②「債権譲渡」は、現在の借入内容をそのまま、新しい銀行に引き受けてもらう方法です。
過去には、消費者向けローンの債権を一括して譲渡する動きが見られました。引き受け側は債権内容の調査から、割安で購入出来ていたそうです。

この度の債権譲渡は、企業融資残高の譲渡です。引き受け側も、企業内容の調査の上で、引き受けるかどうか判断する事になります。
当然に、取引先の選定や、金融機関同士の駆け引きもあり、なかなか難しいですね。