AIの活躍はすぐそこまで
各業界でAI活用という言葉が流行しています。テレビでも新聞でもAI活用によるコマーシャルが流れています。金融機関も、メガバンクを中心として、AI活用を独自開発する方向でデータ収集や、実験をスタートさせています。
同様に収益環境の厳しい地方金融機関もAI活用による銀行業務の合理化は避けて通れません。
そこで、この度、地銀7行(群馬銀行や池田泉州銀行他5行)が、AI開発で共同会社を設立し、
①開発費を共同で負担すること、
②そして各金融機関の顧客データを持ち寄り、より多くのデータ分析から精度の高いAI開発を目指すとの報道がありました。
今回の開発では、顧客ごとに適正な金融商品の案内、その他、窓口案内や、事務処理もAIで共通化してコスト削減を進めるとしています。
ただ、個人的には、各金融機関の顧客内容は、地域の特性(地域産業・職業形態等)から、それぞれ違うものです。AIが導く金融商品の提案にどれだけ地域色が出せるのか気になるところです。
過去に、ローンの貸出スコアリング計数を算出する際に、他社のデータは、全く利用できなかったと聞きました。そもそも地域が違えば、顧客の属性も違い、顧客から見る会社のイメージも違います。スコアリングとはそれほど微妙なものです。その結果、独自開発による自社の顧客分析と、その後の検証がカギになったと聞きました。
しかし、今回のAI活用は、地域の顧客の希望にあった金融商品の提案が第一目標です。各種の課題を解決した今後の進化が期待されるところです。