地域金融機関とは・・・(求められる役割)

銀行は、都市銀行と地域金融機関に分けられると言われています。

都市銀行の定義は、大都市に営業基盤を置き多数の支店を持つ普通銀行です。
一方、中小・地域金融機関は、一定地域を営業基盤として地域住民・地域企業・地方公共団体等に金融サービスを提供する機関で、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合が、これに当ります。




では、都市銀行、中小・地域金融機関とも、仲介機能・決済機能・信用創造機能を持っていますが、
金融機関としての役割は、同じなのでしょうか? どの様に棲み分けされているのでしょう。

銀行等の役割 中小・地域金融機関の役割 都市銀行の役割
取引対象と
特徴
中小企業のメイン銀行・地域密着活動
地域毎の「きめ細かい」対応が可能
大手企業・広く全国一般
全国ネットを活用した対応
期待される機能 ○地元企業向け
地域経済の需給マッチング、企業
の育成・企業同士のマッチング
地域経済支援・再生・経営相談
○消費者向け
地域の特徴に合わせた商品
○企業向け
大手企業中心の需給マッチング
高度な金融サービスや巨額の融資、
国際的な取引など
○消費者向け
全国一律の商品
融資のポイント
リスク判定

○地元企業向け
財務諸表だけでなく
経営者の資質とモラル。更に地域
の評判・将来展望・社員の士気等
○消費者向け
地域特性に合わせた審査
(地域属性に合わせたスコアリング)例)サラリーマンの多い都市部と、個人自営業者(農業・漁業中心の地域)のスコアリングは、違います。農家の方々の返済は、収穫後です。そのような、商品と与信技術が要求されています。
○企業向け
スコアリング(機械的な審査)
担保価値重視
有価証券報告書
○消費者向け
全国一律の審査
(顧客属性に合わせたスコアリング)勤務先・勤務先での地位・勤続年数・年収・自宅の状況・家族構成他
将来への課題 融資・経営相談(各種セミナー実施等含む)・企業の育成・企業同士のマッチング等で、
きめ細かいサービスまで提供するとコスト負担が増加する。
全体的な手数料がやや高め。
大都市では店舗網が充実しているが、地方では、数が少ない。
ボリュームが大きく、きめ細かい対応が難しい。
中小・地域金融機関に求められるものは、地域の企業・地域住民との関係強化とされています。

具体的には
①経営組織・経営者の資質・地域での評判・将来の展望・社員の士気等、
中長期的な取引を通じて固有の情報を収集し、企業の資金調達を手助けする。
中小企業には、大手企業のように多彩な資金調達の方法がありません。
②地域住民の資金ニーズにこたえる。
③さらに、地域経済と地方公共団体等との連携の橋渡しまで期待されています。

 中小・地域金融機関には、情報収集機能と地域経済の橋渡し
及び、経営支援でのリーダーシップが求められています。
また、地域の情報発信機能も必須ですね・・・