日本人の現在の平均寿命は男性81歳、女性87歳で、将来は更に伸びるとされています。日本人の人生100年時代を迎え、老後の資金不足に備える動きが広がってきています。
そうした環境の中で、政府は70歳を超えてから公的年金を受給できる仕組みなどを検討しています。また、金融機関も個人が生涯にわたりお金を受け取れるようにする年金保険や投資信託を販売しています。
給与などを稼がなくなってからの老後の期間が長くなると、預貯金や年金だけでは生活費を賄えなくなる恐れがあります。
政府でも、少子高齢化への対応による定年引上げ、年金資金確保から年金支給開始引上げが検討されていますが、一方で民間も生涯型の年金保険や受給年金の不足補填になる投資信託を販売しています。
最近、長生きに対応した、「トンチン年金」と言われる商品が注目されています。
トンチン年金とは、ごく簡単に言うと、年金保険への加入者が亡くなったとき、その遺族に対する保険金などは支払わず、その分は生きている他の加入者の年金原資に回すという仕組みだ。このため加入者は長生きするほど、多くの年金を受け取れるようになる。逆に年金を受け取る前に亡くなれば、保険料は掛け捨てになる制度です。
ちなみにトンチン年金のトンチンは人の名前だそうです。
イタリア,ナポリ生れの銀行家 L.トンチ (1630~95) が考案した年金制度。国庫に融資する者に対し,元利の支払いに代えて終身年金を与えるもの。この場合出資者全員の応募額を元として一定率の利息額に相当する年金を始める。しかし年金総額は毎年等額であるが,出資者のメンバーは逐年死亡し減少するから,死亡者の受けるべき年金は生存者に配分されるという仕組みをもつ。フランスの J.マザランが 1653年にこのトンチン年金制度を確立し,ルイ 14世はこの制度を大いに利用したが国庫の重荷となり,ルイ 15世によって 1763年廃止された。(コトバンク)
生きている限り毎年決まった年金が受け取れる。という安心を得るための長生きするほど特になる個人終身年金保険です。
最近の低金利政策で、受給年金の不足額を預貯金の取崩しで対応するしかない現在の高齢者にとっては少しありがたい商品ですが、契約年齢に制限があります。現役時代から生活設計を計画的しておく必要がありますね。