奨学金の返済が滞り、自己破産する卒業生や親族の増加が懸念されています。
一方で、人生100年時代、人生の各ステージで、自己投資の必要性が求められています。ますます、学歴の高度化が求められている中で、教育費の負担増加が奨学金利用者増につながっています。そして、卒業後の、奨学金返済につまずく学生の増加が問題にもなっています。そこで、現在、大学の授業料無償化や、奨学金返済の出世払い制度の検討も提言されています。
ところで、大学生一人当たり、どの程度の金額が国から補助されているのか気になるところです。
ネットに掲載している日本私立大学団体連合会によれば、学生一人当たりの年間補助金は、私立大学は平均17万円、国立大学は、平均218万円となっています。4年で卒業する学生には、卒業までに、それぞれ68万円、872万円補助する計算になります。
補助金は、大学運営で使われ、直接学生に補助金額が通知される訳ではありません。学生は、自分の納付した授業料で学校が運営されていると思いがちですが、将来の卒業生の活躍を期待して国から補助金が支給されていることを理解してほしいものです。
例えば、近年、保育士、介護職員不足、また、医師不足が報道されています。それぞれの職種の人材育成に補助金が支給されています。例として、不足していると言われる保育士の有資格者は、社会の要求には十分な数だと言われています。しかし、職場環境や、処遇の問題から、職に就くことをあきらめている方が多く見られます。
安心して働ける環境や処遇の整備が進めば、保育士への人材育成資金は、将来の社会に還元されます。その環境の整備が望まれるところです。