みずほ銀行が多数の暴力団組員らに融資し、取引を把握しながら2年以上放置していたとのことで金融庁は27日、業務改善命令を出した。と大きく報道されています。
問題になっているのは、みずほグループ内の信販大手「オリエントコーポレーション(オリコ)」等を通じて実行した自動車ローン
230件、約2億円の問題融資が、全国各地で分散して実行されており、およそ2年間このローンは実行されていたことが判明した。
この事件は、グループ系列間の提携業務に甘さがなかったか、融資が分散化されていた理由はなにか、銀行内で判明後、2年間も融資が実行されていたのはなぜか、マスコミ各社は論評しています。これらのほかに重要な問題が内包されています。
これらは、「提携ローン」と呼ばれます。今回の提携ローンは、自動車ディーラーを窓口にして、車を購入する顧客の審査・保証は信販会社が行い、銀行が融資する仕組みです。
上記のほか、銀行の窓口で申込むカードローン等があります。顧客は、銀行の窓口で申込み、銀行が一時審査を行い、その後、保証会社(信販会社、消費者金融会社)へ保証依頼し、銀行が融資するというスキームがあります。しかしほとんどのケースで、銀行は一時審査をせずに、保証会社だけが審査を行っているのが実態です。
なぜこのような仕組みが生まれたか。
保証会社である信販会社または消費者金融会社にとっては、貸付金は、銀行が用意するので、有利子負債が軽減されます。(貸付金を用意する必要がない。)
一方、銀行では、審査は保証会社が行い、何かあったら(不払いなど)、保証会社が全額貸付金を保証してくれるといった双方にメリットがあるスキームなのです。
しかし、金融機関として、銀行が顧客の審査には、一切タッチしていないことに問題があります。みずほでは、金融庁の改善命令を受け、仕組み全体の見直しが必要になります。
同様の仕組みを採用している各金融機関も見直しが必要ですね。