「先輩、今晩空いていますか」
受話器から、聞こえたのは、懐かしい後輩の声だった。
何でも、出張で、こちらに来たとのこと。今晩は、当地に宿泊の予定。
僕が、この地に転勤で引っ越して来て、会うのは1年ぶりだ。
人の都合を考えない突然癖は、昔とちっとも変わっていない。
今回もそのパターンだ。
でも、かわいい後輩からの誘いとあっては、おいそれと断るわけにもいかない。
いわんや給料日前をやだ。
先輩風は吹かさないといけない。
年上が年下に晩飯を奢るのは、古今東西、世の習いだ。
こんなときは、いつもの銀行のローンカードが役に立つ。
小額で、上手に利用すれば、返済の負担も感じない。
コンビニのATMも利用できて、重宝している。
返済途中でも随時返済ができるので、来月のボーナスで、完済することにした。