最近、メガバンクが国内事業の見直しを進めているという報道が見られます。
三菱東京UFJ銀行は、店舗減で 9,500人の削減(一方で無人店舗も検討)
みずほフィナンシャルグループは、業務減で19,000人削減
三井住友銀行は、効率化で4,000人分の業務量を減少させるとの内容です。
低金利・人口減と収益の伸び悩みで、各行とも店舗の在り方、店舗数の見直しや、デジタル化・機械化・無人化・ロボットの対応で業務量の削減を目的としています。また、商品については、低金利で薄い利ザヤの住宅ローンの取扱いについてもグループ内で取組先を絞るなどの見直しも進めています。
特にみずほFGの具体的な人員削減は驚きを持って受け止められている様です。
内容は次のとおりです。
超低金利による収益環境の悪化を受け、みずほFGは人工知能(AI)など最新の情報技術(IT)導入による業務の効率化や人員削減を打ち出している。銀行業はシステムの維持や書類作成などにコストがかさむ構造になっており、みずほFGの場合は今年度で1.45兆円の経費がかかる。これを業務の自動化などで削減する。今年度は既に、100業務で従業員150人分の業務量に相当する計30万時間分を自動化したという。
説明会では構造改革の工程も明らかにした。現在約8万人の従業員は21年度までに8000人、24年度までに1万4000人削減し、10年後の26年度末には1万9000人削減し約6万人体制にする。国内500の店舗網は、21年度までに50店、24年度までに100店を削減する。毎日新聞2017年11月20日
国は、すでに、銀行法を改正(2018年春からスタート)し「フィンテックの普及による金融のイノベーション」を推進しています。
改正の目的は
①銀行代理業者制度の見直しで、金融サービスを提供するベンチャー企業に登録制を導入、情報管理や財務の健全性保持を求める。
②銀行には口座情報への接続網開放を促す。
③その結果、利用者の保護を徹底し、新サービスの普及を後押しする。
という内容です。
今回のメガバンクの国内事業の見直しについては、遅れている金融ITサービスの整備を急ぐ目的もあります。既に、一部地方銀行もフィンテックで業務革新、働き方改革に活用等の報道も見られます。