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休眠預金の「払戻損失引当金」が951億円と前年比3.4%増加

 休眠預金の活用については、使い方について議論があり、ようやく2016年12月に休眠預金を活用、推進する法律(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)が国会で成立。法律施行は2018年1月1日。そして2019年から福祉・健康増進・地方活性化など、社会的事業などへの助成・貸付が可能となりました。

 その「休眠預金」の使途に関する話題から、顧客が払戻し請求を行い、払戻し額が増加。結果として、金融機関が、払戻損失引当金を増額させているとの報道がありました。
 新聞報道によれば、東京商工リサーチが、国内銀行の休眠預金の「払戻損失引当金」を調査したところ、引当金の総額が、前年より増加しているそうです。
 各行とも、引き続き払戻し請求が増加するとみているようです。
 東京商工リサーチの記事を詳しく見ると、2017年3月期決算で107行の調査を行い「睡眠預金払戻損失引当金」は総額951億4,800万円(前年同期比3.4%増、前年同期919億9,600万円)になったとのことです。
 この金額も大きいものですが、この中には三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行、新生銀行、あおぞら銀行、筑邦銀行は決算書の項目に睡眠預金払戻損失引当金がないので含まれていません。
それなので、この金額は本来は更に大きくなるものと思われます。
 引当金額を見るとメガバンクが大きく、みずほ銀行175億7,500万円、三井住友銀行136億200万円、福岡銀行47億300万円、三井住友信託銀行35億8,300万円、伊予銀行29億7,900万円、千葉銀行29億2,000万円、常陽銀行25億8,500万円となっています。
(http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20170808_07.html)

 休眠預金については、国家戦略室の日本再生戦略に盛り込まれ、その有意義な活用が議論されていました。活用方法について、「国庫に入金する」のか、「民間で活用する」のかで意見が分かれていましたが、預金者が預けた資金なので「公正さ」と「透明性」の点から、民間公益活動で活用することが決まりました。
 法律の詳細は内閣府のホームページに「民間公益活動促進のための休眠預金等活用」で詳細な説明があります。
http://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/index.html

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