団体信用生命保険(団信)は住宅ローン融資時に通常、加入が条件となっていますので知っている方も多いでしょう。この保険は住宅ローンの契約期間中に死亡や所定の高度障害と診断された場合には保険金をローンの返済に充て、残された家族が安心してその家に住むことができる為の制度です。一般の保険とは異なって、保険の受取人が金融機関になっています。
最近では、がん特約、七大疾病、八大疾病保障特約など色々な特約も選択できるようになっています。申請手続きも簡素化されネット申請も可能な保険会社もある様です。
ところで、今回、ある信用組合の教育ローンへも団信への加入が選択できるローンの販売を始めました。保険料は貸出金利に上乗せされることになりますが、将来発生した条件では借入金の返済に充てることが出来ることになりました。
同様に教育ローンの際に団信へ加入できる商品は、大手ではみずほ銀行、地方銀行では筑波銀行、常陽銀行でも販売されている様です。
教育資金も、進学する学校、学部によって必要資金にはかなりの差があります。
生命保険文化センターの調査によると4年間平均の教育資金は次の通りです。
国立大学 | 自宅通学 | 約539万円 |
下宿 | 約840万円 | |
私立文系 | 自宅通学 | 約692万円 |
下宿 | 約975万円 | |
私立理系 | 自宅通学 | 約822万円 |
下宿 | 約1,105万円 |
(http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/education/6.html)
教育資金の不足分を教育ローンに頼らなければならない場合には、将来のリスクを少しの保険料で補填できれば安心な制度と言えるかも知れません。
団信の加入に関しては過去に貸金業者が、顧客にローン契約を行う際に団信の契約を行っていました。掛け金は貸金業者が負担し、契約者が死亡や所定の高度障害と診断されれば保険金で借入金を補填できるという契約になっていました。
これが「借金と命を引き換えにするような保険」だと言われ社会問題になったケースがありました。
ただ、今回の様な教育ローンをはじめ、増改築、結婚資金等の高額な資金借入のケースではむしろ安心な制度と捉えられている様です。