安倍内閣の新三本の矢として希望出生率1.8の実現、人口1億人維持を目標としています。一億総活躍国民会議でも、少子高齢化という構造的課題として希望出生率1.8の実現を求めています。しかし、2014年時点で出生率は1.42の状態。50年後も人口1億人を維持するには、さらに上の出生率2.1が求められています。
先進7カ国で最も出生率の高い、移民を多く受け入れているフランスでも2014年時点で1.98です。「移民は受け入れない」という方針の安倍政権の下では非常に厳しい目標です。
先日の新聞報道で、地方創生に向け国が自治体に策定を求めた「地方人口ビジョン」では、現状のままだと人口は2060年には8674万人と2010年比で約3割減になると予想されていました。また、生産年齢人口(15~64歳)も4000万人程度になると見られます。
この人口減を国は、約2割減にとどめ1億人を維持しようとしています。
もう30年も前(1985年 雇用機会均等法制定頃)に、少子化対策も含め女性が子育てと仕事の両立ができる環境の整備を企業に要請してきたグループがありましたが、その時代はあまり理解してもらえず苦労していたようです。その結果として問題が先延ばしされたのかも知れません。
また、国は「東京圏への人口集中も日本全体の人口減少に結び付いている」とも見ています。
人口維持には、女性が子育てと仕事の両立が出来る社会の実現から出生率を着実に高め、さらに希望出生率1.8に向けて思い切った対策が打ち出せるかにかかっています。
同時に東京一極集中から地方創生の施策も必要なのでしょう。