大学入試の時期になりました。進学を希望される子供さんがいる家庭は学費の準備が大変です。奨学金を利用する学生も多いですが、延滞の増加してきており、返済負担を少しでも減らせたらと有識者・地方自治体が知恵を絞っています。
奨学金の利用者(日本学生支援機構除く)は、平成15年度の269千人から平成25年度には428千人となっています。それに日本学生支援機構の利用者(推定百万人)を合計すると、平成25年度には延べ1400千人の方が奨学金を利用しています。
現在の奨学金についての大きな課題は、「返済」です。日本学生支援機構のアンケートによれば、延滞者の延滞理由は、本人の低所得、または無職(失業中)であるという理由が多くなっています。
卒業したものの正社員で就職できず、奨学金返済に悩む卒業生も多くみられます。
<参考>平成25年度末現在の状況(日本学生支援機構の参考データから)
3,424千人 | 返還を要する者の債権(期日到来分のみ=返済が始まっている人) |
3,090千人 | 正常に返還している者 |
334千人 | 1日以上の延滞債権 (10%) |
187千人 | 3ヶ月以上の延滞債権(6%) 「個人信用情報機関」に登録されます。クレジットカードや自動車ローン、住宅ローンが組めないケースが発生する |
そこで、以下のような検討または実施がされています。
①有識者会議では、所得連動制の導入を検討。2017年度に導入予定
②地方自治体は、地元Uターンの学生には補助または一部返済免除の実施
返済が遅れると金融機関の情報センターに登録され、その後の生活設計にも影響します。
奨学金の利用についても計画性が必要ですね。
また、地方自治体の試みも地方の活性化に繋がるといいですね。