就職氷河期の2000年には、大卒の求人倍率は1倍を下回りました。
しかし、今年は景気回復から8月1日の新卒採用解禁から2週間で、大手企業の採用活動は終盤に入り、来年の新卒学生の70%近くが内々定もらっているという記事が報道されていました。
これからは10月1日の内定式まで内定辞退を防ぐための企業活動が続きます。
一方で、中小企業は昨年度も新卒採用が難しく人材確保に苦労していましたが、今年は大手企業の採用日程が3~4か月繰り下げられたため、大手と中小の採用活動のピークがほぼ重なり、例年以上に学生の奪い合いが激しいようです。
また、中途採用をおこなう企業も多い反面、他社に社員を引き抜かれたという企業もあります。
人材確保のためにも企業は待遇面や社内環境など社員を大切にする姿勢も大切です。
過去には転職すると給与が以前より低下するというのが一般的でしたが、厚生労働省の昨年度の雇用動向調査では、転職後に賃金が増えた人の割合は36.6%(前年比4.8ポイント増)もあったという発表がありました。
最低賃金も今年は全国平均で18円上昇し、10月から施行されます。特に非正規社員を多く雇用する企業にとっては人材確保は益々厳しくなりそうです。
ワーク・ライフ・バランス推進のため、企業にとっては、労働時間の柔軟化(短時間正社員制度、フレックスタイム制度)、人事評価の工夫(契約社員の無期社員への転換制度、育児休暇取得や短時間勤務利用者への配慮)、高齢者・外国人の雇用も重要な人材確保の手段となりますね。