財政健全化計画で前提となる実質2%以上の成長率は、政府の物価上昇目標でもあります。実際この目標が達成できるか議論されているところです。
物価が上昇すれば企業業績が上昇し、給与が上昇する、そして消費者の購買力が上昇し、企業の業績が上昇するというプラスのスパイラルが見込まれます。特に将来のインフレを考えると、需要を先取りできるローン利用が有利です。特に住宅購入、教育ローン等を利用するのがお得です。 政府も経済成長率2%達成のため労働者の賃上げ方向に積極的ですね。
しかし、11月に発表された内閣府の世論調査では、住宅購入を希望しない、また購入するなら中古を希望する人が増加しているとの発表がありました。理由は多額のローンを抱えたくないということです。このまま給与上昇が見込めないなら無理なローンは組まない。さらに住宅を売却するときには少子高齢化の到来から資産価値の上昇があまり見込めないと考える人が多いのでしょう。
奨学金についても、有利子奨学金が返済できない卒業生の増加も社会問題となってきており、無利子また給付型の奨学金の増強が急がれています。
団塊の世代が大学に入学した昭和40年前後の自宅外通学の奨学金給付は月1万数千円、大学を卒業した昭和45年前後の初任給は6~10万円。その後の奨学金返済(100万円以下)も今から考えると返済は楽な時代だったのでしょう。今は、月10万円も奨学金を利用する学生もいます。そうなると卒業後、約2万5千円を20年間(240回)返済していくことになります。
将来のことを考えれば、一層現実的で計画的な対応が必要でしょう。