日本の寛永通宝などの古銭も、円形に四角い穴を採用しています。製造過程の手間の問題だそうです。四角の穴に四角の芯を通してまとめて固定して、やすりをかけたり磨いたりすることができます。製造上の合理的な形状といえます。
一方、この穴に「さし」(縄)を通すと持ち運びに大変便利でした。そして96枚で100枚として流通するようになりました。
九六文勘定と呼んでました。96は2、3、4、6、8、12、16と多くの数で割り切れて便利だからです。江戸時代のそば、うどんが16文、てんぷら、玉子とじが32文と16の倍数で値段がついたのも九六銭(くろくぜに)勘定から来ていると言われています。
でも、九六文の銭に紐を通して1束にしたものは100文で通用するというのが九六の銭勘定ですが、おおらかだったのですね。今では、考えられないですね!
一方、今の貨幣で、穴付は丸い穴で、5円と50円ですね。穴を空けた理由は、他の同じ様な重さ、寸法の貨幣と暗がりでも区別するためや「偽造防止のため」、「目の不自由な人でも貨幣の種類が判別しやすいようにする」といった意味があるそうです。
また、貨幣の周りに、ギザギザの付いている貨幣も、同様な理由からです。
50円硬貨・・・最初は、中央に穴の無い50円(寸法も今より少し大きい)だった。その時代100円硬貨と紛らわしいので、その後、昭和34年に中央に穴を開け、昭和42年に今の大きさになりました。
5円硬貨・・・昭和24年まで、穴の無い5円硬貨でしたが、24年から穴を空けた貨幣が発行されました。