最近の低金利政策からアパートやシェアハウスの不動産投資が増加していました。
先日、シェアハウス投資に関して、金融機関と不動産業者との関係に疑問があると報道されていました。
アパート経営では、「
また、シェアハウス投資については、「頭金なしの投資で長期の賃料収入が保証される。」と金融機関のローンをセットとして積極的に推進しています。
最近の不動産市況は、過去のバブルを思い出すような状況です。
シェアハウス投資、融資資料の改ざん多発 預金額水増し
会社員らが投資目的で建てたシェアハウスで約束された賃料が払われなくなった問題で、融資関係資料の改ざんなどの不正が多発していたことがわかった。預金額の水増しなどで信用力を上げ、多額の融資を受けやすくしたとみられる。融資の多くは地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)が行っていた。
シェアハウス投資でトラブル続出
偽られた資金力、銀行も積極融資 シェアハウス投資
問題になったのは、首都圏を中心に急拡大した「シェアハウス投資」。トイレなどが共用のシェアハウスで会社員らが1棟丸ごとオーナーになる。長期の賃料収入を約束する「サブリース」で勧誘され、副収入目当ての会社員らが1棟1億円超を借りて建てる例が多い。不動産業者らは土地紹介や建築請負、入居者募集なども担う。だが、800人超が賃料が払われないトラブルに巻き込まれている。顧客が多い不動産会社スマートデイズ(東京)は1月から約700人への支払いを停止した。多くはスルガ銀でお金を借りていた。
シェアハウス投資では、不動産会社と提携する数十社の不動産仲介業者が窓口の場合が多い。会社員らは融資を受ける際、仲介業者に預金通帳の写しなどを渡し、銀行との手続きを一任。ところが一部の融資で書類が改ざんされていた。
預金残高を10倍以上に膨らませたり、業者に多額の頭金を振り込んだりしたように書き換えた例もある。多額の預金や頭金の支払い能力があるように見せかけ、融資を引き出しやすくした可能性がある。
シェアハウス賃料の支払い停止後、融資返済が厳しくなった会社員らがスルガ銀に返済猶予を求める中で不正が発覚。多くの改ざんは会社員らが知らぬ間に行われていたとみられる。
仲介業者の一部は朝日新聞の取材に不正の存在を認めた。誰がどのように行ったかは明かしていない。スマートデイズは「金融機関とオーナー間のやり取りは答えられない」という。
スルガ銀は、シェアハウスへの融資について「収益性不動産投資の新しい形として有望と考えた。具体的な融資額はお答えできない」とし、預金水増しなどは「融資実行後に一部そのような例が判明した」としている。「当社の手続きの不備によるか否かに関わらず許されることではない」とし、現時点で行員が関与した形跡はないとしている。
2018年2月13日朝日新聞より
スルガ銀行は他の銀行とは異なったスタンスで貸付を行う銀行として有名で、住宅ローンも他の銀行とは異なった顧客層を狙って高収益を上げています。
今回は独自商品の強みが逆に弱みになった事例かもしれません。
それぞれ、住宅販売業者や不動産業者は、売上増加を、金融機関は、融資残高の増加を見込んだ結果です。
今回特に、悪質なのは、不動産業者が、
1)金融機関の融資を受けやすいように、預金の水増しや、通帳改ざんを行い
2)販売物件価格に水増しを行っていた
と言う内容です。そして金融機関から「フリーローン」の融資も受けているという状況。
金融機関側は、紹介された顧客は、「適正に審査している。」としていますが、結果として、返済できない案件が散見されるという事態となり、審査に問題があったのではという報道でした。
本件に限らず、低金利政策から、金融機関が、フリーローンやアパートローンで積極的に融資残高を伸ばしていたところです。先日からの、全銀協の融資残高報告にも、カードローンとアパートローンの残高が報告されるようになり問題視されています。
カードローンについては、自己破産の増加が心配されていますが、アパートローンについても今後の少子高齢化により、次第に問題点が出てくると思われます。
金融機関は、顧客の立場で、「ゆとりのある」返済計画の立案が求められるところですね。