スルガ銀行(静岡県沼津市)のシェアハウス投資向け融資で不正が多数発覚した問題で、銀行の解体論まで出てくる騒ぎとなっている。経営陣退任となり、金融業としての信頼が取り戻せるかが大きな課題だ。
事件の内容は、報道されていますが・・・
不動産業者らが長期の家賃収入を約束して会社員らをオーナーに勧誘し、業者らが貯蓄や年収を水増しし、1棟あたり1億円前後の融資をスルガ銀から引き出した。
金融機関の審査は、形式が整えば、可決となるケースが多い。大半の融資は、信用情報の内容と数字(収益率・担保率)だけで結論を出すと思う。だから、関連資料作成に、不動産業者も不正に加担すると、正常な審査は不可能となる。その上、その様な融資の審査にも行員が関与した。
営業担当役員が現場をノルマで追い込んだ結果だった。
関連融資は2035億円、1258人分にのぼり、400億円の貸倒費用を計上したとの報道がある。
今回の事件では、銀行が、事件の中心の大きく関わっているいることから、監督責任のある金融庁も非難されている。
ところで、オーナー(債務者は被害者か?)は、どのように扱われるのだろう。
割高な物件を購入された等の損害賠償を求めるオーナーもあり、一方で、融資審査時の書類改竄を知っているオーナも存在する。
どちらにしても、1億円程度の融資で、賃貸物件を建設・購入した後、家賃収入が望めなければ、オーナーは破綻してしまう。サラリーマンオーナーにとっては大変な事態だ。
今までも、儲け話で、不自然な投資話や融資話等、怪しい詐欺事件が発生している。
でも、金融機関がコンプライアンスを遵守していると思う人は、多いと思う。
今回の事件は、金融インフラを提供している銀行の社会的責任が問われる重大な事件だと思う。