昔、銀行の事務システム担当者が、競合銀行の事務の流れを偵察に行っていた話を聞いたことがあります。私も、複数の大手取引銀行窓口の処理スピードの比較をしたことがあります。
同じ内容を依頼して「どの程度待たされるか?」というものです。
担当者の動きをみると各行毎に違いがありました。
1)手元で、てきぱきと処理をしているがなぜか待たされる銀行
2)普通に早く処理を済ませる銀行
3)担当者の手の動きが遅く見え、そして待たされる銀行
依頼した手続きの内容は同じでした。
なぜ、こんなに違うのか不思議に思ったことがあります。そして窓口の機械化によるスピードアップの必要性を感じました。
それが今は、顧客満足度向上のための利便性の追及から、「よりよい店舗作り」を目指しているとのことです。既に、国内の大手銀行幹部もリテールバンキング※の進んでいる欧米銀行の最新鋭店舗を視察しているそうです。
報道で紹介されていましたが、
「ストア・オブ・ザ・イヤー」で紹介された銀行は、顧客が訪れやすい店舗、顧客が来たくなる店舗を目指したそうです。同行の経営陣が発信したのが「ブランチ(店舗)ではなく、ストアと呼べ」と言っているようです。つまり、小売業として店舗を展開しているとのことです。
また、他の国でも銀行店舗のレイアウトとして、
・周辺地域社会と関わるためのミーティングルームの設置
・地域のイベントを開催するスペース
・保育サービスのスペース等を設置
等、様々な工夫を凝らしたものがある様です。
わが国では、さまざまな銀行規制店舗作りも自由ではないそうですが、「好かれる銀行」への追求マインドは必要ではないかと想われます。
日本経済新聞社の国内の金融機関顧客満足度評価(三大都市圏の個人を対象に調査実施)というものもあり13回金融機関ランキングではイオン銀行がトップになったと話題になっていました。ソニー銀行は10連覇を逃したということも話題でした。
こういった調査を見ても昔ながらのいわゆるお堅い銀行というより、小売業としての店舗へ移行している様に思われます。
商品内容や夜間、休日対応等のサービスの内容、金融商品の提案力など、これからますます小売業としての意識改革が必要になるのではないでしょうか。
※「リテールバンキング」とは、個人や中小企業を対象とした小口金融業務のこと。