政府は、2020年には観光客を現在の2千万人から4千万人へ増加させるという目標を決めましたが、特に宿泊施設の不足が課題となっています。
この度、政府の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、マンションなどの空き部屋に旅行客を泊める「民泊」の宿泊日数を、現在の最低6泊7日から2泊3日に緩和することを決め、近く政令を改正するとの報道がありました。
民泊については、国家戦略特区も設けられています。
現行の旅館業法と国家戦略特区との違いの主な点は、以下の通りです。
項目 | 国家戦略特区(許可制) | 旅館業法簡易宿泊所(許可制) |
---|---|---|
宿泊日数 | 6泊7日以上 | 日数制限なし |
部屋のスペース | 25㎡以上 | 一人当たり3.3㎡以上 (10名以下の場合) |
フロント(帳場) | 不 要 | 設置義務あり |
建物設備 | 一般住宅で可 | 建築基準法・消防法 |
一般に民泊を運営するには、上記のどちらかでの運営が必要です。
訪日客の多くが3~5泊という状態を考えれば、国家戦略特区での宿泊6泊7日以上はニーズに合わず、機能していないようなものです。罰則規定も甘く、民泊の違法やトラブルが増加してきているようです。
現在の民泊の多くは家主不在型で、空き部屋の活用として利用されています。問題点は、物件管理とネットからの情報管理の責任者の所在が不明であることです。このままだと犯罪行為が行われる可能性も否定できないため制度を見直すことになったようです。
政府としては、緩和の条件としてそれぞれ登録制にしようとしているようです。
全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)は民泊の規制緩和には反対しているようですが、ネットを活用したこの様なC to Cのビジネスは、これからも増加してくると思われます。
新しいビジネスモデルとして、地域の活性化ができる政令にしてほしいものです。
※C to C (Consumer-to-Consumer)とは、IT用語辞典では、商取引の分類を表す用語の一つで、個人間、とりわけ一般消費者同士の間で行われる商取引のこと。また、個人間の取引を仲介する事業やサービスなどのこと。と説明されています。