最近の、メガバンクの動向から、地方の金融機関のこれからの動向が気になりますが、全銀協の新しい会長は、「日本銀行の異次元緩和の長期化で、貸出金利の収入は減り銀行の収益環境は厳しい。業界が構造改革に取り組む必要がある。」との認識を示しています。
金融庁も、人口減が進む23県では地銀の単独存続は困難・・・との試算を、「金融仲介の改善に向けた検討会議」に報告したと報道がありました。
具体的な内容は
〇道府県地域ごとに、地銀の生き残りの可能性は
・2行でも競争が可能
宮城、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知、大阪、広島、福岡、鹿児島
・1行単独なら存続が可能
北海道、岩手、山形、福島、茨城、新潟、長野、滋賀、京都、兵庫、愛媛、熊本、沖縄
・1行単独でも不採算
青森、秋田、栃木、群馬、富山、石川、福井、山梨、岐阜、三重、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、香川、徳島、高知、佐賀、長崎、大分、宮崎
(東京都は判断の対象から除外しています) 朝日新聞 4月17日の朝刊から抜粋
同検討会議で開催された過去の議事要旨を確認しても、地方金融機関の問題は、既に県レベルの問題ではなく、もっと広範囲での対応が必要になるとの発言が多く、地銀の再編や連携が課題になるとの認識です。一方で、公正取引委員会の監視も連携した政策が求められるという発言が多く見られます。ただし、公正取引委員会は、地銀統合によるシェアの高まりを問題視しています。
既に、地方でも地銀だけでなく信用金庫・信用組合も県境を越えた連携を模索しており、顧客紹介や、代理店制度の利用、AIの活用などを検討しています。
金融機関の生き残りには、経費削減と新しい仕組みの開発が求められるところです。